Kazuhiro Tanimoto  


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2022/On-Chain Generative Art NFT
GHOST IN THE CODE

2022年7月9日 午前1時(日本時間)
404コレクション リリース予定







作品概要

 この作品はブロックチェーン上に消去不可能な魂を宿らせるプロジェクトの成果物です。最小限のコードから個性と表情の異なる人間の顔を生成し続けるシステム。購入者(minter)に紐づくhashから個性を確定した後、無数の表情に変化し続ける生きたポートレイトであり、永遠に広大なネットの海を漂うminterの魂の断片でもあります。

    GHOST IN THE CODE(Art Blocksサイト)  

    サンプル出力(Art Blocksサイト)
      画面スクロールすると696のサンプルがご覧頂けます それぞれのdetailsをクリックすると動かすことができます


    予告動画   #1   #2



Art Blocksとその特徴


Market Tracker / Art segment / 7 days


 現在、世界最大のNFTプラットフォームとなったArt Blocksでは、アートを生成するプログラムコード自体をブロックチェーン上に保存し、この単一のコードがミント時に実行される度、バリエーションの異なるアートが生成します。これは画像・動画編集ソフトやその他の高度な専門ソフトを駆使して作製された画像や動画データをサーバーに保存し、その証明書をブロックチェーン上に保存しているfoundationやSuperRareといった従来のNFTプラットフォームとは全く異なるものです。アーティストはプログラムの描画コードのみで作品を表現する必要がある一方で、ユーザーの操作に反応するようなインタラクティブな作品や、終わり無く変化し続ける作品をつくることも技術的には可能です。またArt Blocksには厳正で長期に渡る審査プロセスが有り、2020年から現在までリリースされたプロジェクトは約300に留まっています。

    Art Blocksについて(Art Blocksサイト)

 Art Blocksでリリースされた有名な作品として、Tyler Hobbs氏の「Fidenza」やDmitri Cherniak氏の「Ringers」などがあります。「Ringers」は当時6億円という値段で二次流通市場で取引され話題となりました。



作品の思想的背景


 生物はDNA中の4種類の塩基の配列によってコーディングされており、人間のDNAは30億の塩基対で構成されています。これは情報量として約750 MBです。そして人間の個人間のコードの差は0.1%、750 KBに過ぎないのです。この僅かな違いが外見的な特徴や身体機能など、あらゆる違いを生み出しています。これは我々のもつ一般の感覚すると非常に驚くべきことです。
 しかし、もしこの事実に驚いたのであれば、我々は自分の感覚を疑う必要があります。

 私はこれらの点に興味を持ち、人が他人の顔や表情を識別する要素は何であるか、僅かなコードによって個性と感情を生み出すことができるか、逆に観察者はどこまで個性と表情を識別可能か探求してきました。
 この結果、私は14 KBのコードによって様々な人々の個性と喜怒哀楽、さらに複雑な感情を表すことに成功しました。

 我々は、人間は超自然的で唯一無二の存在だと考えたがっています。これは過去に、天動説が多くの人々に支持されたのと、共通の構造だと言えます。

 しかしこの作品は、我々人間も単なるコード可能なプログラムなのではないかという疑念を生じさせます。

 ではDNAで記述されたコードとデジタルで記述されたコードの本質的な違いはなんでしょうか?

 私は実行空間が実空間であるかデジタル空間であるかの違いでしかないと考えています。

 実空間の中で有機物のコンピューターを動作させることが魂の存在の必須条件でしょうか?

 それは単なる器に過ぎない。

 これは、我々は単なるコードであり、魂は存在せず幻想であり、単なる脳内の電気信号である、という悲観的な意味ではありません。むしろ、我々の存在を自覚させ、感情を引き起こし、行動させる魂、機能はコードの中に確かに宿っているのです。



制作過程、他

 遅まきながら初めてArt Blocksの活動を理解した時、私は非常に興奮しました。そして私はコードをブロックチェーン上に保存する意義について考え、すぐにコードによって表現された魂をブロックチェーン上に封じ込めるというアイデアが浮かびました。私は科学や工学を仕事にしており、人間は素晴らしい生き物である一方、魂は超自然的なものではなく、人間のプログラムコードであるDNAに記述された機能の一つだと考えています。つまり魂はコードに込められていると信じています。
 そして魂の断片を含むコードをブロックチェーン上に保存すること、そしてそのコードがミントにより実行されることは、広大なネットの海に消去不可能なゴーストを漂流させることであると感じました。新たに現れたブロックチェーンやNFTという技術にこのような思想を載せることができれば、この行為には意義があるのではないかと考えるようになりました。

 それから7ヵ月以上の間、私はこのアイデアに取り憑かれ、プロジェクトに取り組んできました。

 私は魂の表出物として人間の顔と表情を選びました。人間の顔の多様性と表情の複雑さが、魂の一端を表しているように思うからです。しばらくの間、私は人間の顔の多様性と表情がどのように表れているか、それをどのようにコードで記述するかに没頭しました。これは文献調査や実際の人間の顔の観察とコーディングを行き来する作業で、四六時中、人間の顔の個性や表情がどのように現れているのかを考える続けることになりました。
 この結果として、出力は無数の個性と表情を有し、単純な喜怒哀楽のみならず複雑な感情を示すようになりました。自分の知り合いやテレビで見たことがあるような人物に似た顔が出力されて驚くこともあります。
 また、出力はコードから得られるというイメージとは対照的に絵画のような見栄えにしたいと考えました。このため、背景や描画表現についても多くの検討を行い、顔以外についても様々なバリエーションが得られることになりました。


 プロジェクトの途中から、当初は静止画であった作品を、生きたポートレイトのようにリアルタイムで表情が変化し続ける作品にしたいと考えました。専用ソフトを使ってこのような動画データを作ることは容易ですが、都度実行されて描画されるプログラムにおいて満足行くような実行速度を得るのには、技術的なハードルも非常に高いものでした。しかしこれが達成されたことによって、ユーザー操作に対して反応し、無数の表情に終わり無く変化し続けるという、オンチェーンジェネラティブアートの恩恵を最大限に引き出す作品にすることができました。これは完成された映像を流し、またデータ容量的に制限がある従来の十数秒のループ動画データNFTでは生じえない体験です。



この作品では、ミントされることで魂がネット上に出力されます。
この行為まで含めて一つの作品であると言うことができます。
またゴーストの個性はミントした人の有するハッシュによって決定されます。
つまりブロックチェーン上のコードからあなたによって出力されたゴーストは、ネット上のあなたの魂の断片であるとも言うことができるのです。

是非、ブロックチェーンを用いたこの新しい体験をしてみてください。

    GHOST IN THE CODE(Art Blocksサイト)




































































































































    GHOST IN THE CODE(Art Blocksサイト)



(c) Kazuhiro Tanimoto